スーパーショット〜EU Open2023 Final〜

スーパーショット

本記事では、前回の記事で取り上げたヨーロッパオープン2023決勝戦より、Alcaide選手とRaga選手のそれぞれのスーパーショットを取り上げたいと思います。

スーパーショットなので、真似は難しいかもしれませんが、セーフティなどは引き出しを増やすためにも有効です。
また、率直にプロ選手のショットがすごいことがわかってもらえると思いますので、楽しんでみていただければと思います。

なお、スーパーショットは、clutch momentではないですが、得られた教訓などがあればそこも書いていきたいと思います。

では、スーパーショットのご紹介です!!!

🎱 スーパーショット

ひねりを加えたスーパージャンプ

ブレイク後のシュートアウトでAlcaide選手がパスしたことにより、Raga選手に回ってきたところです。
Raga選手はジャンプショットを選択しますが、ただのジャンプではなく、右回転のひねりを加えることで、3番に出そうとする高度なテクニックです🎵

残念ながらショット自体は3番には出なかったのですが、距離も長いジャンプでひねりを加えて正確に2番をポケットできた点をすごいと思いスーパーショットにあげました。

手球をくっつけるスーパーセーフティ①

さて、お次は9セット目のAlcaide選手のショットになります。
Raga選手のブレイクノーインからAlcaide選手が1→2へ出す際にシュートコースが厳しく、セーフティを行う場面になります。

このショットのポイントとしては、セーフティの引き出しと力加減と90度分離の法則を理解する必要があるというところです。90度分離については別の記事でご紹介するので、ここでは、手球と的球が当たった後にどの方向に行くのかの法則と思ってください。

まず引き出しはそのままなのですが、4番の裏に隠すというイメージがないと出てこないショットですね。このショット自体は成否はともかく私でも狙えるショットなので、参考になりました。

次に力加減ですが、弱すぎると2番がシュートできてしまいますし、強すぎると4番に当たって2番へのシュートコースができてしまう可能性があります。そのため、このショットがすごいと思ったのは、この絶妙な力加減です!

最後に90度分離ですが、2番への角度を誤ると、左下コーナーにスクラッチしてしまう可能性もあります。逆に2番に薄すぎると4番に隠れる方向に行ってくれないため、そのラインがかなりシビアです。ここは経験がものをいうショットだなと感じました。

スーパードローショット

続いて10セット目のRage選手のショットになります。
手球と1番がかなり厚いため、ドローショットで2番への出しを考えています。
また、ただのドローショットでは2番に近づかないため、球の左下を撞いて出そうとしていますね。
文字で言うのは難しいのですが、引いた後にクッションに入った時に球を左右に動かしたい場合、出したい方向の逆側をひねるとそちらの方向に向かいます。

このショットの凄さは、これだけのロングショット左下の回転を残したまま引ききるキュー切れの良さです。

手球をくっつけるスーパーセーフティ②

続いてもRaga選手です。
2番のシュートコースがないため、セーフティを選択します。
ここも①と同じで、引き出し、力加減、90度分離が大事になってきます。
引き出しはこれで増えたと思うので、力加減と90度分離について解説します。

まず力加減は、クッションにさえ当たれば7番が邪魔をしてくれそうなので、良さそうですね。もちろんRaga選手の力加減が抜群だったことにより手球をくっつけられた方がより難しいです。
逆に強すぎてしまうと7番を飛ばして2番が丸見えになってしまいます。

次に90度分離です。今回の場面では2番に当てられる位置が限られているので、ほとんどできることがないですが、7裏に進行するようにRaga選手はちょっとだけ左ひねりを入れていますね。

手球・的球をくっつける究極セーフティ

続いてAlcaide選手のスーパーセーフティです。ここまでは手球をコントロールするだけのショットでしたが、さらに難易度が上がった的球も隠す絶妙なセーフティショットです!
ここでも引き出し、力加減、90度分離について見ていきましょう。

引き出しとしては、おそらく最初のイメージとして、手球をどこに隠すかを考えていると思います。
近くにある球が5番なので、その裏に隠せるかと。続いて、5裏に隠せたら的球はどこに行くかを考えます。すると進行方向に7番があるため、その裏に隠せると良さそう、こんな感じで考えていたと思います。
このようにセーフティの考え方として、手球をどこにやるか、的球をどこにやるか、あるいは組み合わせかというのを考えるとより引き出しが増えるように思います。

続いて力加減です。今回は的球を手前のクッションまで入れたいので、ちょっと走らせなければなりませんね。バンキングよりもやや弱めといったところでしょうか。ここはAlcaide選手が絶妙な力加減ですね!

最後に90度分離です。イメージは手球を5裏に隠したいので、そうなるような角度を考えています。最悪的球は7裏に隠れなくても、手球が5裏にあればとても難しいですよね?
このように手球と的球をどちらをメインにするかはセーフティを考える上で重要な思考です。

Alcaide選手の経験値が全部出たようなセーフティ、お見事です!!

長距離トラブル回避(失敗)

続いてRaga選手のチャレンジショットです。失敗はしてしまいましたが、参考になると思いますので、取り上げます。

2番の次の3番が8番が邪魔してシュートコースがない状況ですね。私なら2番から3番に近づけるショットで、3番はセーフティを選択すると思います。

ここでRaga選手は、3と8の間まで手球を持ってくる選択肢をとりました。
おそらくこのショットは3にも当てないような感じで持ってきて右上のコーナーへのシュートを狙っていたのではないでしょうか。

結果的に3番に少し掠ってしまってシュートは狙えなくなってしまいましたが、ショットとしては、ひねり、力加減が絶妙な組み合わせの素晴らしいショットです。

空クッションセーフティ

最後のスーパーショットはAlcaide選手のセーフティです。
Raga選手からセーフティを喰らって空クッションからしか当てられない(ジャンプショットはあるのですが、手球と4番が近すぎる、3番の距離も近すぎて難しい)状況です。

ここでAlcaide選手のとった選択肢はクッションから3番を当てて、手球は4裏、3番は左下にある5−6番の裏に隠そうという選択肢でした。

引き出しとして、空クッションからセーフティを狙うというのはさすがプロという感じですね🎵

結果的にこのショットはシュートは無いものの、見えているためRaga選手にこの後セーフティされますが、こういう選択肢があるという気づきを得られました。

まとめ

今回はヨーロッパオープン2023決勝戦のスーパーショットについてご紹介しました。
スーパーショットが決められると相手はその分プレッシャーを感じてくれるので、試合運びをよくしてくれますね。

ただ私のようなレベルでは参考程度に普通のことを普通にできるように頑張っていきたいです笑

気になることや「このショットも解説して!」というリクエストがあれば、X(@position_taro)までお気軽にどうぞ!

タイトルとURLをコピーしました